答えは対話の中にー子どもや若者のあしたへ。希望の橋を懸けたい。まず、小さな白熱教室から。ー

 元旦の朝日新聞の第1面の記事の「答えは対話の中に」は、

2011年の年頭にふさわしいものだ。

以下のとおり引用する。

ところで、埼玉弁護士会の法教育PTの法教育の実践もも小学6年生の特別活動で

[傾聴⇒対話⇒合意形成]

を行って、個人の尊厳と共生社会の実現を目指している。

後日、紹介したい。

上記の記事は次のとおりである。

                                               記

6年1組の国語の授業。

 黒板に、暗号のような式が書かれた。〈図1〉

図:図1

話し合いの図だ。子どもが、すぐに意味を解説する。

 「話し合いは考えを増やします。三つずつ考えを持った人同士が話し合うと、

考えは六つ以上に増えていきます」

 北九州市立貴船小学校。担任の菊池省三先生(51)は、

子ども同士の意見のキャッチボールで、どの子にも自信をつけさせる

「カリスマ教師」だ。

毎週のように参観者が訪れ、講演依頼も絶えない。

 十数年前、崩壊した学級を受け持った。

「こう言ったらどう思われるか」。

子どもたちは周りの反応を怖がり、思いを口にできない。

 まずスピーチを採り入れ、考えを持つ大切さと、伝える手法を教えた。

次は、ディベート。

賛否の立場を決め、意見をぶつけあう訓練だ。

 だが、「社会で生き抜くためには何か足りない」と思い始めた。

言いっぱなしのスピーチでも、言い合いのディベートでもない。

相手の意見に耳を傾け、自分のなかで消化し、新たな意見を投げかける。

その繰り返しが、みんなを高め、よい人間関係につながることを伝えたい――。

行き着いたのが、この授業だ。

 この日は、原爆ドームの歴史をつづった説明文「平和のとりでを築く」

を読む授業だった。

全文で13段落ある。

 「筆者が一番主張したい段落はどこでしょう」

 黒板に1~13の数字が書かれると、子どもたちが一斉に黒板にかけ寄った。

自分の似顔絵カードを番号の下にはり、意見を表明するのだ。

 次は、同じ段落の答えの子同士が教室の隅に集まり、理由を言い始める。

 5分後、今度は違う段落の意見の子と話す。

しばらくすると「意見を変えた!」という声があちこちで上がった。

 最後は、机を教室の真ん中に向けての全体討議だ。

 「核兵器を使わないでと言っているから12段落でしょ」

 「では、11段落で、平和を求める気持ちを書いているのは、どう見るんですか?」

 「11段落の平和も、12段落の核兵器も大切だけど、もっと大切なのは、

13段落の、人の心の中に平和のとりでを築くことだと思う」

 一人ひとりの声が重なり、ふくらみ、響き合い、

みんなの学びとなって対話が自転していく。

先生は腕組みをし、うなずいているだけだ。

 教師の「教え込み」から、子ども同士の「対話」へ。

その先に広がるのは、新しい価値をともに創りあげる社会という未来図だ。

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法教育の実践の手法は

[傾聴⇒対話⇒合意形成]

である。

そして、傾聴と対話を通じて

人の内面の真意は、白と黒では割り切れなく、

白と黒との間の無限のグラデーション

さらには、淡白な白黒から無限の色彩

もっているのではないかと思うようになった。

秋葉原事件

近時の取手事件

の各被告人及び被疑者の

人生を終わりにしたいとの

理由での犯行に至ったとしている。

もし、彼らに感情の多面性、思想の多角性を

身につけていたら、正確に内面を把握し、

それに対応した解決策が見つかったのではないか。

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在野法曹の法教育の実践

 埼玉弁護士会の法教育に尽力している。

平成16年度埼玉弁護士会の副会長のとき

人権擁護委員会に諮問をした。

人権に根ざした法教育を検討して貰いたいというものである。

当時も現在も法教育の主流は

ルールづくりである。

いわば、上意下達的な法教育である。

埼玉弁護士会の法教育は、水平的な法教育である。

人権擁護委員会の委員を中心に

法教育PTが立ち上がった。

埼玉弁護士会の法教育の成果を各地の弁護士会に

普及したい。

下記のとおり、東京新聞に取りあけて頂いた。

弁護士会の法教育の成果を地元、朝霞でも生かせたい。

そんな思いから、朝霞・市民のための法教育を立ち上げた。

市民のみなさんといっしょに法の支配を模索したい。

児童自立支援施設「国立武蔵野学院」訪問

 11月8日、さいたま市緑区の児童自立支援施設「国立武蔵野学院」

を訪れた。

下記の森の中を抜けて

本館に到達した。

大正8年 国立感化院

昭和9年 国立少年教護院

昭和23年 国立教護院

平成10年 国立児童自立支援施設

平成18年 さいたま市立中学校分教室を併設

敷地 3万3942坪

非行少年を自立更生させるための施設である。

非行少年が寮生活を通じて自立する。

寮には、寮長の家族が居住しており、少年たちは一緒に生活をする。

文字通り24時間寝食を共にして、疑似家族を通じて

情操を養うものである。

ここでは5つの寮があり、それぞれ生活をしている。

非行少年10名が普通の家庭の家族と

共に生活をする場所である。

外見的には、中学校の敷地に寮があり、

普通の中学生が合宿しているようにみえる。

もし、このような仕事があることを知っていたら、

チャレンジしていたかもしれない。

有意義な仕事だ。

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夏休み特別企画「弁護士と話そう」

埼玉弁護士会の法教育PTは、8月はじめ

夏休み特別企画「弁護士と話そう」を行った。

20名弱の子どもが参加した。

弁護士の日常業務など

どんな質問にも応えたりして

大変有意義な時間であったと思う。

私も子どもたちに話す機会があった。

「話し合いの中で一番大事なことは、

なんでしょうか。」

(沈黙)

「他人の話を聞く、傾聴ということが

もっとも大事です。

人間を尊重することは、

他人の意見に耳を傾けることなのです。」

と話して

子どもたちに「傾聴」という漢字を持参した

ノートに書いてもらった。

夏休みの成果として

弁護士と討論をして

その結果「傾聴」を学んでくれただけで

うれしいかぎりである。

感想も好意的なものであり、またやって欲しいとの

ものが大半であった。

人間の尊厳と共生社会の実現を願う

在野法曹の理念の少しでも子どもたちに

伝えたい。

希望社会か?絶望社会か?

毎日新聞7月18日(日)の記事だ。

ときどき、現在は恵まれすぎて

子どもたちに生きる気力を奪っている

と思ったりする。

恵まれすぎているから

ニートとか引きこもり

が生じたとも思ったりする。

しかしながら私たちは、今恵まれ?過ぎた

付けを次世代に押しつけよとしている。

上記の記事は、押しつけをグラフにして明らかにしたものだ。

我が家にも高校生の子どもがいる。

子どもたちに、

未来の実相をはなしたら

どのような反応を示すだろうか。

「まかしときな」

といってくれたら、うれしいかぎりだ。

おそらくこう言うかもしれない。

「わからない」

そしてこの回答には、私たちの責任がある。

考えさせない教育の結果ではないだろうか。

そして、こどもたちにまっているのは

どのような社会だろうか。

希望社会か?絶望社会か?

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